夏の車中泊で、多くの人が悩まされるのが暑さです。
日中の気温が30℃を超えるような日はもちろんですが、問題なのは夜になってもなかなか気温が下がらないこと。
車は窓を閉め切ると熱がこもりやすく、エンジンを停止してしまえばエアコンも使えません。
窓を開けて扇風機を使う、冷感グッズを利用するなど、さまざまな暑さ対策がありますが、そもそも暑い場所で寝るよりも、涼しい場所へ移動してしまうという方法が一番重要といえます。
夏の暑さ対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

そこで私が実際に試してみたのが、標高の高い場所で車中泊をする方法です。
一般的に標高が高くなるほど気温は低くなるため、平地が暑い夏でも、山間部や高原などへ移動すると、驚くほど過ごしやすくなることがあります。
今回は、その中でも以前から気になっていた東海北陸自動車道の松ノ木峠PAへ行き、実際に夏の車中泊をしてみました。
結果から言うと、
「夏に車中泊するなら、標高の高さはかなり重要」
と実感することになりました。
この記事では、実際に松ノ木峠PAで車中泊をしたときの気温や服装、寝具、睡眠時の状況などを紹介します。また、実際に利用して感じたメリットだけでなく、設備面で気になったところも含めて紹介していきます。
松ノ木峠PAとは?

松ノ木峠PAは、東海北陸自動車道に設置されている岐阜県のパーキングエリアです。
東海北陸自動車道は、愛知県側の一宮JCTから富山県側の小矢部砺波JCTまでを結ぶ高速道路のことで、
松ノ木峠PAは、荘川ICと飛騨清見ICの間に位置しており、周囲を山々に囲まれた場所にあります。
このPAの大きな特徴が、標高の高さです。
標高は約1,085m。
一般的な平地の高速道路上にあるSA・PAとは、かなり環境が違います。
普通の旅行では「標高」という要素をあまり意識しない人もいるかもしれません。
しかし、夏の車中泊ではとても重要な要素です。
実際に訪れてみると、平地との違いをかなり感じることができました。
大阪などの平地では真夏に30℃を超えている日でも、
標高の高い場所まで移動すると、夜にはかなり気温が下がっていることがあります。
つまり、夏の車中泊では、
「暑さ対策グッズを増やす」
だけではなく、
「そもそも涼しい場所へ移動する」
という選択肢も非常に有効です。
松ノ木峠PAはどんな施設?
松ノ木峠PAは、一般的な大型サービスエリアのように、
レストランや売店などが充実した施設ではありません。
- 駐車場
- トイレ
- 自動販売機
だけの比較的シンプルなパーキングエリアです。
そのため、
「観光地のように施設を楽しむ場所」
というより、
「移動途中に休憩するための場所」
と考えた方がよいでしょう。
私が訪れたときも、駐車している車はそれほど多くありませんでした。
当日は平日だったこともありますが、到着した時点では普通車が5台ほど、
大型車が2台ほど停車している程度でした。
もちろん休日や繁忙期には状況が変わる可能性があります。
ただ、施設自体が非常にシンプルなので、
食事や買い物を目的に多くの人が集まるタイプのSA・PAではありません。
この「何もない」という特徴は、一見するとデメリットに思えます。
しかし、夏の車中泊という目的では、逆にメリットになる部分もありました。
実際の気温はどれくらいだった?

では、一番気になる「実際にどれくらい涼しかったのか」
私が松ノ木峠PAで車中泊をしたのは8月20日。
夏真っ盛りの時期です。
深夜1時前に車外の気温を確認すると、
約19℃
これにはかなり驚きました。
8月の大阪では、夜になっても25℃前後までしか下がらない日があります。
実際、この日に大阪で記録されていた最低気温は25.4℃でした。
単純に比較すると、松ノ木峠PAでは大阪よりも約6℃低かったことになります。
(もちろん気温は、その日の天候や風、湿度などによって変化します。)
また、「標高が○mだから必ず○℃になる」というわけでもありません。
それでも、実際に同じ夏の日に平地と標高の高い場所でこれだけの気温差を体感すると、
「夏の車中泊は、場所選びだけでもここまで変わるのか」
と感じました。
半袖では少し肌寒いくらい
深夜1時前に外へ出てみると、半袖では少し肌寒く感じるくらいでした。
大阪などの平地であれば、夜中に車から出た瞬間、
「暑い……」
となるような時期です。
それが標高1,000mを超える場所では、むしろ、
「ちょっと寒いな」
と同じ8月でも、場所が変わるだけでここまで環境が変わることを実感しました。
夏の車中泊というと、どうしても
「どうやって暑さを乗り切るか」という方向に考えてしまいます。
しかし、松ノ木峠PAでの経験から、
私は「暑さと戦うのではなく、暑くない場所へ移動する」
という考え方が非常に有効だと感じました。
車内はどれくらい暑かった?
残念ながら、このとき車内温度を測るのを忘れていました。
そのため、「車内温度は○℃でした」と正確な数値を紹介することはできません。
ただ、実際に車内で過ごした感覚としては、暑くもなく、寒くもない程度。
少なくとも、平地で夏に車中泊をするときのような、
「暑くて寝られない」
という状況にはなりませんでした。
むしろ、この日の場合は暑さよりも「朝方に寒くならないか」を心配するくらいでした。
ここで一つ注意したいこと
ただし、今回の19℃という気温を見て、
「松ノ木峠PAなら8月でも必ず涼しい」と考えるのは危険です。
車中泊当日の天候や時間帯によって気温は変わります。
また、同じ夏でも日によっては暑くなる可能性があります。
そのため、実際に訪れる場合は、出発前に現地の天気予報や気温を確認しておくことをおすすめします。
特に標高の高い場所では、平地とは気温差が大きくなるため、
「夏だから半袖だけで大丈夫」
と決めつけない方が安心です。
標高の高い場所へ夏に車中泊へ行く場合は、
薄手の長袖など温度調整できる衣類を持っていくことも重要といえます。
実際に松ノ木峠PAで車中泊してみた
ここまで「標高が高いから涼しい」と紹介してきましたが、気になるのは、
「実際に車の中で寝たらどうだったのか?」
というところではないでしょうか。
車中泊では、外気温が涼しくても、車内に熱がこもってしまえば意味がありません。
そこで、実際に私が松ノ木峠PAで車中泊をしたときの服装や装備、窓の開け方などを紹介します。
車中泊時の服装
この日に使用した服装は、
- 綿の半袖
- 綿のステテコ
という、かなり薄着の組み合わせでした。
8月20日という時期を考えれば、平地であれば暑さを感じてもおかしくない服装です。
しかし、松ノ木峠PAでは深夜になると外気温が約19℃。
車内でも暑さを感じることはなく、この服装で十分に過ごすことができました。
むしろ、標高の高い場所での車中泊では、
真夏であっても「寒くなったときにどうするか」を考えておいた方がよいと感じました。
夏の車中泊では、「暑いから薄着にする」という考えになりがちです。
ところが標高の高い場所では、夜間に気温が大きく下がる可能性があります。
そのため、薄手の長袖や上着など、簡単に温度調整できるものを1枚用意しておくと安心です。
実際に使用した車中泊装備
この日に使用した車中泊装備は、それほど特別なものではありません。
使用したのは、
- 車中泊専用マット
- 薄いタオルケット
- 目隠しシェード
です。
車中泊専用マットについては、裏面のスウェード調になっている面を使用しました。
真夏の車中泊ということもあり、厚手の寝袋などは使用していません。
これも、標高1,000mを超える場所とはいえ、8月だったためです。
ただ、実際に過ごしてみると、
「この日の気温なら、この程度の装備で快適だった」
だけともいえます。
車中泊では、同じ場所でも天候や気温によって必要な装備が大きく変わります。
そのため、私が使用した装備をそのまま再現するのではなく、
その日の天気や気温に合わせて調整することをおすすめします。
窓は開けた?網戸は必要だった?
この日の車中泊では、網戸は使用しませんでした。
窓については、結露対策も兼ねて、少しだけ開けています。
開けた幅は、約3cm程度。
完全に窓を開けるのではなく、ほんの少しだけ隙間を作るような形です。
夏の車中泊では、窓を開けることで車内の熱気を逃がし、外の空気を取り込むことができます。
特に標高の高い場所では、外気温そのものが低いため、窓を少し開けるだけでも車内環境をかなり快適にできます。
ただし、窓を開ける場合は、虫の侵入には注意が必要です。
今回の車中泊では網戸を使用しませんでしたが、これは「標高が高いから虫が入ってこない」という意味ではありません。
夏の車中泊で窓を開けるのであれば、基本的には防虫ネットや網戸を用意しておいた方が安心です。
特に、窓を大きく開けて換気したい場合には、網戸があるだけで安心感が大きく変わります。
「夏の車中泊の網戸」に関する記事でも詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてください。

朝まで一度も起きずに眠れた
そして、一番重要なのが睡眠です。
実際に寝てみたところ、
朝8時前まで、一度も起きることなく眠ることができました。
これは、私自身かなり印象に残っています。
夏場の車中泊は、暑さで目が覚めたり、汗をかいたりして、
途中で窓を開けたり扇風機を動かしたりすることがあります。
ところが、この日はそういったことをする必要がありませんでした。
もちろん、私個人の体感であり、すべての人が同じように感じるとは限りません。
暑がりの人、寒がりの人、寝具の違いなどによって、快適に感じる温度は異なります。
それでも、8月の夏に半袖・薄手の寝具で朝まで眠れたという経験は、松ノ木峠PAの涼しさを実感するには十分でした。
ただし、標高の高い場所まで移動できない場合や、冷感敷きパッドや冷却タオルなどを使って暑さ対策をする方法も組み合わせてください。

松ノ木峠PAの良いところ、良くないところ
今回、初めて松ノ木峠PAで車中泊をしたのですが、良い面もあれば、良くない面もありました。
もちろん、良くない面に関しては、準備さえ整えておければ、解決できることも多そうです。
松ノ木峠PAの良いところ
とにかく涼しい
一番のメリットは、やはりこれです。
夏でも涼しい。
これに尽きます。深夜1時前で外気温が約19℃。
8月の平地ではなかなか考えにくい気温です。
夏の車中泊で、「暑くて眠れない」
という問題に悩んでいる人にとって、標高の高さは非常に大きなメリットになります。
例えば、平地で30℃近い気温の中、扇風機を使って何とか暑さをしのぐよりも、そもそも外気温が20℃前後の場所まで移動してしまう。
もちろん移動には時間も燃料も必要ですが、快適に眠るための方法としては非常に合理的です。
ただし、ここでも注意が必要です。
標高が高い場所だからといって、必ず快適な温度になるわけではありません。
訪問する際は、現地の天気や気温を確認してから向かうようにしましょう。
夜はかなり静か
多くの車は隣のひるがの高原SAに立ち寄ることが多いので、PA内は結構出入りが少なかったです。
周囲に工場や民家なども皆無なので、夜中は本当に静かでした。
また、東海北陸道でも山間部に位置するので、夜間は車も少ないので、走行音もあまり気になりませんでした。
(もちろん、音に敏感な人にとっては多少の出入りがあるので気になるかもしれませんが…)
周辺観光地へのアクセスがしやすい
そして、個人的にもう一つ良いと感じたのが、周辺観光地へのアクセスの良さです。
松ノ木峠PAは、単純に「涼しい場所で寝る」という目的だけでなく、
「翌日の観光を効率よく楽しむための車中泊拠点」
としても使いやすい場所です。
私自身、車中泊旅行では、
「できるだけ早く現地に到着して、混雑する前に観光したい」
と考えています。
その点、松ノ木峠PAで前日の夜に車中泊しておけば、翌朝すぐに移動を開始できます。
特に、
- 白川郷
- 高山市周辺
- 飛騨地方
などを観光する場合には、旅程を組みやすくなります。
夏の観光地は、日中になると観光客が一気に増える場所もあります。
朝早い時間帯に現地へ到着できれば、混雑する前に観光できる可能性があります。
つまり松ノ木峠PAは、
「涼しく眠る」+「翌日の観光時間を有効に使う」
という2つのメリットを同時に得られる場所だと感じました。
松ノ木峠PAの良くないところ
本当に何もない
松ノ木峠PAには、一般的なサービスエリアのようなレストランや売店はありません。
そのため、
「到着してから夕食を買えばいい」
「朝になったら朝食を買おう」
という考え方では困ってしまいます。
車中泊をするのであれば、食料や飲み物は事前に準備しておくことが基本です。
特に夜遅くに到着する場合、周辺で買い物をすることは難しくなります。
松ノ木峠PAへ向かう前に、
- 夕食
- 朝食
- 飲み物
- 必要な軽食
- 翌日の観光用の食料
などを準備しておきましょう。
「何か足りなくなったら買うことのできる場所」はありません。
なので、食べ物を保存するクーラーボックスは必須と言えます。
クーラーボックスについては、詳しい記事で紹介しています。

入浴施設がない
もう一つ気になるのが、入浴施設がないことです。
車中泊では、
「夕方に温泉や銭湯へ入ってから車中泊場所へ移動する」
という方法を取る人も多いと思います。
松ノ木峠PA自体には、そのような施設はありません。
そのため、入浴したい場合は、PAへ到着する前に済ませておく必要があります。
特に夏場は汗をかきやすいので、個人的には入浴→食料調達→松ノ木峠PAへ移動という流れをおすすめします。
車中泊するなら事前準備は必須
ここまで紹介したように、松ノ木峠PAは非常にシンプルな施設です。
しかし、これは必ずしも悪いことではありません。
むしろ、
「必要なものを自分で準備できる人にとっては、非常に使いやすい場所」
とも言えます。
例えば、到着する前に、
①食事を済ませる
↓
②飲み物や朝食を購入する
↓
③必要なら入浴する
↓
④松ノ木峠PAへ移動
↓
⑤車中泊
という流れにしておけば、PA内に施設がなくても困ることはありません。
また、夏場であっても標高が高いため、平地と同じ感覚で考えず、薄手の長袖やタオルケットなど、寒さに対応できるものも用意しておくと安心です。
周辺の観光アクセスについて
白川郷

世界遺産に登録されている「白川郷」
合掌造りの昔からの家屋が立ち並んでおり、夏場も多くの観光客が訪れる人気のスポットです。
以前の記事でも書きましたが、白川郷は日中になると観光客でごったがえし、なおかつ駐車場が混みます。
松ノ木峠PAからだと、白川郷まで40分ほどで行けるので、早めに起きれば十分に混む前に現地に到着することが可能です。
観光客が増える前に大体の観光を済まして、ゆったりと見て回ることができるのは、大きな利点といえるでしょう。
とはいえ、白川郷の最寄には道の駅「白川郷」(標高475m)があり、夏場であれば第2駐車場も解放されているので、そちらを利用する方が近いですが、標高自体は高くないので真夏日であれば少し暑いかもしれません。
高山市周辺

古い町並みが、とてもきれいな街「高山」
観光地として人気があり、飛騨牛といったグルメなども多く、年間通じて多くの観光客が訪れるスポットです。また、朝には宮川という川沿いに朝市が開かれ、現地の雰囲気を楽しむことができます。
松ノ木峠PAは高山市内へ30分ほどでアクセス可能な位置にあるので、人が多くなる前に現地入りし、余裕を持った行動プランを立てることが可能です。
高山市街地手前にある道の駅「ななもり清見」(標高661m)を利用する手がありますが、少し標高が低い位置にあるので、真夏日の車中泊には向いていないかもしれません。真夏日以外であれば、こちらの道の駅を利用したほうがアクセスは抜群に良くなります。
ただし、シーズンによっては、かなり混雑しているので注意が必要です。
まとめ|松ノ木峠PAは夏の車中泊候補におすすめ
松ノ木峠PAは、一般的なサービスエリアのように施設が充実している場所ではありません。
トイレと自動販売機を中心としたシンプルなPAなので、食事や買い物、入浴などは事前に済ませておく必要があります。
しかし、その一方で、
- 標高が高く夏でも涼しい
- 夜間は比較的静か
- 白川郷や高山市方面へのアクセスに利用できる
- 翌日の観光を早い時間からスタートしやすい
というメリットがあります。
特に印象に残ったのが、8月の深夜で外気温が約19℃だったこと。
平地では暑さに悩まされる時期でも、標高の高い場所へ移動するだけで、ここまで環境が変わるのかと驚きました。
もちろん、毎日同じ気温になるわけではありません。
訪れる際は、その日の天気や気温を確認し、必要に応じて防寒具なども準備しておきましょう。
また、施設が少ない場所なので、食料・飲み物・入浴などは事前に済ませておくことも重要です。
夏の車中泊で、
「暑くて眠れない」
と悩んでいるのであれば、扇風機や冷感グッズを追加するだけでなく、
「そもそも涼しい場所まで移動する」
という方法も一度試してみてはいかがでしょうか。
松ノ木峠PAは、そんな「標高を利用した夏の車中泊」を実践する場所として、候補の一つになると思います。
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